われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う (文春文庫 つ 11-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (1999年4月9日発売)
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気楽になるような面白い本を読もう、と思ったら、古典落語か土屋賢二に限る。大体笑える。

これはわれ笑うゆえにわれありの続編だが、特に前のと関係はない。同じような土屋ワールドが展開されているだけである。

土屋氏の本は、何冊も立て続けに読んではいけない。なぜなら、カントの純粋理性批判並みの名著ぞろいなので、途中で飽きてしまう危険があるからだ。

こういう、誰もけなさず、ウイットとナンセンスながら多少の知的ユーモアに溢れているというエッセイは、岩波文庫とちくま学芸文庫を何冊読んでも見当たらないほどの至高の作品である。

気分が塞いだ時や、なんだかうまくいかない時、人生がつまらない時や、その他の時はブックオフの100円コーナーをのぞいて、この本を買い求めることをオススメする。きっとあなたは面白いと思うに違いない。そうでなければ、面白くないと思うはずである。それほどこの本は文字数のボリュームがあり(一部は著者が原稿料をかせぐためだけに水増ししたのではないかと思うほどだ)、その割にライトな読み口で(読むべきところが少なく読みやすい)、きっと読者のお気に召すことだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 蔵書C群
感想投稿日 : 2012年5月21日
読了日 : 2012年5月21日
本棚登録日 : 2012年5月21日

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