さまざまな統計データを示して、現在の日本の格差の実態に迫った本です。
日本の経済格差は明らかに進行しており、ヨーロッパはおろか「小さな政府」をめざしているというイメージの強いアメリカにくらべても、格差が小さいとはけっしていえないという主張が提出されています。
本書や『日本の経済格差―所得と資産から考える』(岩波新書)での著者の問題提起に対しては、大竹文雄による批判があり、さらに佐藤俊樹数土直紀などによって議論の地平そのものが掘り下げられていきましたが、そうした舞台そのものを用意したという意味では、大きな意義があったといってよい本ではないかと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治・経済・社会
- 感想投稿日 : 2019年4月21日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2019年4月21日
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