中国の民間信仰としてひろまった道教の解説書で、道教において信仰されている多くの神々について説明がなされています。
第一部にあたる「道教とは何か」は道教の概説です。ただし、著者自身が中国などに足をはこび、じっさいに見聞した道教の信仰の実態の報告が中心となっています。とくに著者は、かつては迷信とみなされ中国政府による弾圧をこうむっていた道教が、政策の変化によって活動が再開されることになったことを知って安堵するとともに、日本でも道教研究が隆盛を見ていることをよろこぶとともに、今後の研究への期待が語られています。
第二部にあたる「道教の神々」では、道教において信仰されている神々が紹介されています。著者は本書のほかに、道教の概説書として『道教入門』(1983年、南斗書房)や『道教史』(1977年、山川出版社)、『道教百話』(1989年、講談社学術文庫)などを刊行しているためかもしれませんが、本書では道教にかんする諸テーマをひとつずつとりあげて解説するよりも、道教の神々のパンテオンを示すことに力点が置かれているように思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教
- 感想投稿日 : 2022年10月1日
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- 本棚登録日 : 2022年10月1日
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