創竜伝(3)逆襲の四兄弟 (講談社文庫)

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  • 講談社 (1994年2月4日発売)
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今回は、終が風竜として覚醒します。

前回登場したレディLは、四兄弟に取り込もうとふたたび陰謀をめぐらせます。そして、終がヘリコプターに吊り上げられ、レディLや製薬業界のボスで戦争中に人体実験をおこなった過去がある田母沢篤たちのもとへと連れて行かれることになります。

始たち3人と、鳥羽靖一郎の娘の茉理は、レディLの本拠地とも言えるマリガン財団の東京赤坂分室に殴り込みをかけます。テロリストの仕業と見た当局は自衛隊を送り込みますが、四兄弟は戦車をジャックして終のもとへと向かいます。一方終は始たちと合流するために行動を起こしたものの、その途中でふたたびヘリに吊り上げられてしまい、横田基地へと連れて行かれることになります。

横田基地でようやくヘリの束縛から抜け出した終は、風竜として覚醒し、ソニック・ビームを放って破壊の限りを尽くします。基地周辺の街に火が回るのを防ぐため、始は余を竜の姿に変えて雨を降らせ、街の人びとと終、余の2人を救出することに成功します。

四兄弟や茉理たちの掛け合いはおもしろいのですが、敵のキャラクターがいま一つ弱いように感じます。レディLについて言えば、古田代議士や高林、船津老人とは差別化できているのですが、タウンゼントやその背後にいる四人姉妹の大君(タイクーン)などは、今のところ「権力者」という記号以上の存在ではないような印象を受けます。

なお今回の「巻末対談」で著者の相手を務めるのは、漫画家の中村地里です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2016年8月22日
読了日 : -
本棚登録日 : 2016年8月22日

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