インド仏教思想史 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2013年9月11日発売)
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インドにおいて展開された仏教の展開を追うかたちで、その思想について解説している本です。

初期仏教から部派仏教を経て、大乗仏教にいたるまでの仏教の諸思想が手堅くまとめられており、入門書として優れた内容の本だと思います。ただ、大乗仏教の諸思想をとりあげている箇所では、本書の説明からその概要を知ることはできるものの、その思想的な意義についてもうすこし踏み込んだ叙述がほしいようにも感じました。たとえば、大乗経典の代表的な思想をあつかっているところで華厳経や法華経がとりあげられていますが、その思想上の意義についてなんらかの見通しを示してもらえたほうが、読者の理解が進むのではないかという気がします。

著者は本書のほかにも『仏教入門』(岩波新書)という入門書を刊行していますが、本書はそれよりもさらに一歩踏み込んで仏教の諸思想を紹介している本ということができるように思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2022年11月3日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年11月3日

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