近代以降、人びとは共同体の呪縛からの「自由」を求め続けてきました。その結果、「無縁社会」と呼ばれるような問題が生じることになり、人びとは慌てふためくことになりました。また日本では、近隣諸国との関係が悪化し、戦後棚上げにされてきたナショナリティについての問いが喧しく論じられるようになってきています。著者は、こうした問題に対する付け焼刃の対応を批判し、私たちがどのような「価値」を選ぶのか、根本から考えなおさなければならないと論じています。
とくに、近代人が個人の自由をめざしてきた結果、確固とした「死生観」を失ってしまい、自分の死について考えられなくなってしまっているという指摘は興味深く感じました。
ただ、元は雑誌に連載された文章だということを知らずに読み始めたので、論じられている内容が散発的なことについていけず、もどかしい思いを感じてしまいました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政治・経済・社会
- 感想投稿日 : 2014年2月25日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年2月25日
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