アール・ヌーヴォーを代表する工芸家であり、ジャポニズムの影響のもとに多くの作品を制作したエミール・ガレの評伝です。
約4分の1におよぶページがカラー図版にあてられており、手にとりやすい文庫本でありながら、ガレの作品の美しさを十分に味わうことのできる本になっています。
ただし本文は、ガレが万国博覧会などに出品した際の自解を、著者が編集した『ガレの芸術ノート』(1980年、瑠璃書房)から引用することで説明に代えている箇所が多く、あまり踏み込んだ解説はなされていません。個人的には、ガレのマラルメへの影響などについても知りたかったのですが、実質的な解説はずいぶんあっさりしていて、やや不満に感じてしまいました。それでも、入門書としての役割は果たしているといえるのではないでしょうか。
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カテゴリ:
芸術・デザイン
- 感想投稿日 : 2018年6月19日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年6月19日
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