炎蛹: 新宿鮫5 (光文社文庫 お 21-9)

著者 :
  • 光文社 (2001年6月1日発売)
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外国人の窃盗品密売グループを追っていた鮫島は、イラン人のグループと中国人のグループの抗争に巻き込まれることになります。鮫島の応援要請を受けて警察が駆けつけますが、中国人の主犯格の男の逃走を許してしまいます。

一方、新宿では2つの事件が起こっていました。一つは、歌舞伎町で外国人の売春婦が何者かによって殺害されるという事件で、もう一つは、近くのラブホテルが放火されたというものです。鮫島は、消防署の吾妻という男から、放火の犯人の捜査に協力を依頼されます。やがて彼らは、犯人がポケット・ベルを利用して発火する装置をラブホテルに仕掛けていたことを突き止めます。

さらに売春婦殺害事件では、被害者に近いアルゼンチンからやってきた女性が、日本の稲作を壊滅状態に陥らせるおそれのある「フラメウス・プーパ」というゾウムシを日本に持ち込んでいたことが明らかになります。鮫島は、この害虫が広まるのを阻止しようとする農水省の甲屋公典とともに行動することになりますが、その過程でこれらの事件が複雑に絡み合っていることが明らかとなっていきます。

今回は、鮫島がとぼけた親父の甲屋と凸凹コンビを組んで捜査に当たるという、ややコミカルな趣きのストーリーです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説・エッセイ
感想投稿日 : 2017年4月10日
読了日 : -
本棚登録日 : 2017年4月10日

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