シリーズ最終巻。本書では、著者自身のユング理解が積極的に語られています。
まず、神経症と失調症について、ユング心理学の立場からの解説がおこなわれています。また、人間が無意識の中にある対立を生かしつつ統合して成長を遂げていくという、著者自身の主張がくわしく語られています。
ただ、こうした解説にはどうしても著者自身の価値観が入り込んでいるのではないかという疑いが拭いきれません。とくに、随所でフェミニズムに対する批判が表明されているので、そうした価値観が本書の叙述のなかに織り込まれているのではないかと勘繰ってしまいます。
そのほかには、錬金術についてのユングの解釈や、ユングがナチスを支持したという説への反論などがあります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
心理学・精神医学
- 感想投稿日 : 2014年6月25日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2014年6月25日
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