ソヴィエト連邦の崩壊後、資本主義へ向けて舵を切ったロシアの行く末について、著者自身の文明史観にもとづく主張を織り交ぜつつ論じています。また、イギリスのインド支配の世界史のなかでの位置づけについて、従来のマルクス主義史学において唱えられていた帝国主義の枠組みに収まらない、文明史的な観点からの考察が展開されています。
著者は、資本主義を生んだエートスにかんするマックス・ウェーバーの所説を随所で参照していますが、それを文明史的な観点からとらえなおしているところに、本書の議論の特色があります。
最後の章では、西洋における「名誉」についての精神史的考察が展開されており、こちらも興味深く読みました。
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カテゴリ:
歴史・地域・文化
- 感想投稿日 : 2019年4月9日
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- 本棚登録日 : 2019年4月9日
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