円亀という外法師が命を落とし、彼が封じていた妖(あやかし)・鶴楽斎の封が解かれてしまいます。ともに封じられていたはぐれ天狗の猛丸(たけりまる)を従えて、盗賊の源九郎の身を乗っ取った鶴楽斎は、さらに術を自在に使える道士の身体を求めて、京の町に姿を現わします。
鶴楽斎はまず、渡会祥元(わたらい・しょうげん)の屋敷を襲います。ところが、すでに祥元は行方知れずになっていることが明らかになります。そこで鶴楽斎は、晴明に狙いを変え、彼の留守中に屋敷に入り込み、時継、晴明の妻・梨花、そして次男の吉昌を人質にとります。
その夜、鶴楽斎は晴明が来るのを待ちながら、酒を飲んでいました。ところが、人質でありながら明るく気丈に振舞っていた梨花が意識を失い、彼女の身に封じられていた「天一」を名乗る妖の意識が現われます。宴会の席はまたたく間に凄惨な状況へと変貌し、あっけにとられる鶴楽斎に、天一は彼が人間だった頃の名前を告げます。
今回も保胤の出番は少ないのですが、時継が活躍するので個人的には満足です。吉昌絡みの展開だけは、ややとってつけたような感もあって少し残念に思いましたが、メイン・ストーリーとなる、梨花や鶴楽斎にまつわるの展開は楽しめました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
少年向けライトノベル
- 感想投稿日 : 2015年11月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2015年11月17日
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