リブラの野望: 破壊者か変革者か

  • 日経BPM(日本経済新聞出版本部) (2019年11月19日発売)
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注目を浴びたビットコインは、投機の対象になってしまい、通貨として普及するのは難しそうだ(値上がりが期待されるなら、使うよりも持っておいた方が特だ)。そこで現れたのがフェイスブックが主導するリブラ(Libra)だ。リブラは、ドルやユーロ、円などの主要通貨と兌換することで、価値を安定させることにして、ビットコインの欠点を埋めている。
リブラを使えば、安価で簡単に送金が実現できるようになるが、フェイスブックの個人情報流出問題やマネロン対策等から各国は規制を強化。今のところ実現に向けた動きは止まっている。

個人的には、各国が通貨発行権を手放したくない(シニョレッジも欲しい)だけではないか、という感覚もあるが、国よりフェイスブックの方が信用できるかというと、そうとは言えないし、本書の岩井先生のインタビューで触れられている長に、中央銀行の「最後の貸し手」機能がないことも金融の安定性という観点からは怖い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年10月4日
読了日 : 2020年10月4日
本棚登録日 : 2020年10月4日

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