特に大きな出来事が展開されるのではなく、若い夫婦が3人の子供を育てていくなかで、少しずつふたりの間に齟齬が招じていく様を丁寧に描いている。離婚の決定的な理由など無いのだろうが、この作品では夫の病や遠距離通勤・単身赴任による家族の団欒があまり無かったこと、夫が家族のことを赤裸々に小説に書いて世に出したことなどが積み重なったからなのだろう。 妻の夫へのことばの中にはとても冷ややかなものがあったので、いつかふたりは別れるだろうという予感を抱きながら読んでいた。さみしいけれど悲しくはなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(国内)
- 感想投稿日 : 2011年12月20日
- 読了日 : 2011年12月19日
- 本棚登録日 : 2011年12月4日
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