Only Time Will Tell (The Clifton Chronicles series Book 1) (English Edition)

著者 :
  • Macmillan (2011年5月12日発売)
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感想 : 4
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イギリスの大物作家Jeffrey Archerの長編作品。Harry Cliftonという男性の波乱に満ちた人生を描く時代小説の第1巻。7巻まで続くそうです。
 Harryは第一次大戦で父親を亡くし、母親と叔父、祖父母と貧しい生活を送っていた。しかし、その類まれなる音楽の才と利発さを活かして、貴族や有力者の通う寄宿学校への進学のチャンスを手に入れる。そこで出会う友人、また家からの満足な資金援助を受けられない中で次の進学先を掴もうと努力する姿。挫折や苦悩。そして恋。次第に忍び寄る新たな戦争の影。Harryが少年から青年へと成長するまでを描いています。
 登場人物の心情を深く掘り下げるというよりは、Harryが大人になるまでの20年間の様子を時を追って順々に描いていっているという感じですが、章が変わることで、まったく同じ時系列の出来事を別の登場人物の視点で描いていくのが面白いです。登場人物が変わるだけで、順調に見えたHarryの進学にもこれだけの人が陰で支えてくれていたんだな、などHarry目線だけでは語られなかった裏のストーリーを知ることで、物語は深みを増していきます。また章をまたぐことで、少しずつ謎や秘密が増えたり解き明かされたりする、その構成も魅力的でした。物語の始まり方からして、Harryの出生には秘密があることを匂わせる意味ありげな始まりかたです。その出生の秘密と父親の死の真相についてはすぐに予想はつきますし、ここで2行くらいでまとめて書いてしまうことも可能なのですが、それが登場人物の視点を変えてじわじわと描かれることで、次へ次へとページをめくってしまいます。その匙加減が絶妙です。終わりも1巻で一応の完結を見るのではなく、なかなか衝撃的なラストシーン。これは2巻を読まないとという気にさせられます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 洋書
感想投稿日 : 2017年7月18日
読了日 : 2017年7月13日
本棚登録日 : 2017年7月18日

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