面白かったー。やり直しの効かなくなるような年代を生きる主人公達のくせの強さが、ありがちなストーリーを熱く楽しくさせてくれる。歯に衣着せぬ秋葉と、社会からつま弾きにされてる真田信繁の二人の思考と台詞が面白く、時に笑いを誘う。さすが関西人。この作家さんは、簡単に文章を作りすんなりと読ませる筆力があるように思いました。そして特筆すべきはハショリのキレ味。それは時折描写を一段飛ばしたような表現を使い、その唐突さと空白の感じがいい雰囲気を持ってると思いました。この本は序盤から面白くなる予感を持たさせれる作品でした。ただ欲を言えば、クライマックスの対局あたりを描写密度こってりにして欲しかったかなぁ。次回作にも期待。作中で、囲碁の負けと将棋の負けの違いの話に「なるほど」と納得。
読書状況:読み終わった
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2011年 読了
- 感想投稿日 : 2011年5月13日
- 読了日 : 2011年5月13日
- 本棚登録日 : 2011年5月13日
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