スクールカーストを描いてるのに、なぜかカラッと明るくて
「さあ、次はどう来る?!」とわくわくしてしまう、不思議な本。
『ベルサイユのばら』や『おにいさまへ・・・』が大好きだった方、必読です!
美貌とプライドで聖鏡女学園中等部2年B組の頂点に君臨していた滝沢美姫。
彼女がちょっと調子に乗りすぎて起こした「腕時計事件」で姫グループから蹴落とされ
主人公の範子が属する地味グループに身柄を押し付けられて。。。
なんといっても面白いのが、フランス革命オタクの範子の視点。
彼女の脳内では、滝沢美姫はもはやマリー・アントワネットのごとき王妃!
腕時計事件でクラスのみんなの前で王妃がつるし上げられるホームルームは
まさに、コンコルド広場での公開裁判。
王妃の権威が失墜した今、姫グループの居城に
恐れを知らぬゴス軍団が攻め入ったら・・・と、あわあわする。
姫グループ、ゴス軍団、ギャルズ軍団、チームマリア、地味グループと
5つの階級が入り乱れ、スキャンダルを起こせば移籍を余儀なくされて
移籍先でさらにまた新たな火種となるあたりは
フランス革命というよりはAKBのあれやこれやみたいで、くすくす笑いが止まりません。
お情けで地味グループに入れてもらったにもかかわらず
全く空気が読めなくてわがまま放題の王妃。
グループ内平和を取り戻すため、総力を上げて王妃をプロデュースして人気者に祭り上げ
姫グループに帰還させようと作戦を練る範子たち。
「ギロチン」・「マカロン」・「王政復古」など、
マリー・アントワネットの面影が浮かんでは消えるような章タイトルも楽しく
身も蓋もないいじめを受けても、知恵を絞り、行動に移して
したたかに乗り越えていく少女たちが眩しい、ちいさな革命の物語です。
- 感想投稿日 : 2013年4月18日
- 読了日 : 2013年4月15日
- 本棚登録日 : 2013年4月18日
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