おもちゃ 河井案里との対話 (文春e-book)

著者 :
  • 文藝春秋 (2022年2月9日発売)
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本棚登録 : 10
感想 : 2
3

当時の(おそらく大量の)テレビ報道に触れていれば、映像の彼女の仕草や発言とこの本の中の語りを引き比べて、違和感なり納得なりを覚えられたのかもしれない。しかしそれを知らないわたしには、彼女の語る言葉はあまりにも稚拙でとにかく痛々しかった。他者の思惑に対してほぼ無抵抗であって、地元の権力者や中央の権力者、そして家庭の権力者である夫にいいようにやられ、精神の不安定さと奇妙なポジティブさや積極性を併せ持ち、候補者として選挙違反の責任をとるといいながらスタッフや支援者と向き合うこともなく、見当違いな復活劇を夢見ているという。
あまりにもあまりすぎて、これが彼女の本当の姿なのだろうか、著者はそれを忠実に描いているのだろうか、なんだかのバイアスが働いた結果なのか? と首をひねりながら読んだ。彼女のエキセントリックなキャラクターと、著者とのつかず離れずなやりとりが面白く最後まで読んでしまったが、視界はあまりクリアにならず、なんだかよけいわからなくなってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 借り物
感想投稿日 : 2023年3月12日
読了日 : 2023年3月12日
本棚登録日 : 2023年3月12日

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