日々のきのこ

著者 :
  • 河出書房新社 (2021年12月22日発売)
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感想 : 30
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『きのこのなぐさめ』をよみおえたばかりで、きのこには果たして、宇宙的思考があるのではないか(あるいは宇宙人なのではないか。そんなことをいうと差別的かもしれなけれど)、と想っていたところだったので、まるでそのつづきのような物語にいたく感動してしまった。
菌類たちのための、わたしたちの躰。そんなことをおもうと、男根と茸のカタチがにていることのつじつまが、合うようにおもえるのだ。きのこ心が沸いちゃった、わたしも。
きのこたちがみせてくる脳内映像は、アピチャッポン。とけてゆく。きもちのいい。

「全世界が安心と不安の斑模様になっている。その渦の中心に、透きとおった、それがある。ある。」

「当時に比べると今は何もかもが明瞭にみえるように思えます。わたしが地上にいた頃は、そうですね、すべてが手探りの感じでした」

「何によって動いているか。何によって動かされているか。わたし、は。」

「茸たちは今も胞子を吐き、また撒いている。それは私の意識のように減らない。少し重荷だ。自分の考えというものが、局所的な都合から世界を類推し続ける営みが、面倒で煩いのに止められない。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月1日
読了日 : 2022年11月1日
本棚登録日 : 2022年11月1日

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