『きのこのなぐさめ』をよみおえたばかりで、きのこには果たして、宇宙的思考があるのではないか(あるいは宇宙人なのではないか。そんなことをいうと差別的かもしれなけれど)、と想っていたところだったので、まるでそのつづきのような物語にいたく感動してしまった。
菌類たちのための、わたしたちの躰。そんなことをおもうと、男根と茸のカタチがにていることのつじつまが、合うようにおもえるのだ。きのこ心が沸いちゃった、わたしも。
きのこたちがみせてくる脳内映像は、アピチャッポン。とけてゆく。きもちのいい。
「全世界が安心と不安の斑模様になっている。その渦の中心に、透きとおった、それがある。ある。」
「当時に比べると今は何もかもが明瞭にみえるように思えます。わたしが地上にいた頃は、そうですね、すべてが手探りの感じでした」
「何によって動いているか。何によって動かされているか。わたし、は。」
「茸たちは今も胞子を吐き、また撒いている。それは私の意識のように減らない。少し重荷だ。自分の考えというものが、局所的な都合から世界を類推し続ける営みが、面倒で煩いのに止められない。」
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- 感想投稿日 : 2022年11月1日
- 読了日 : 2022年11月1日
- 本棚登録日 : 2022年11月1日
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