五重塔 (岩波文庫 緑 12-1)

著者 :
  • 岩波書店 (1994年12月16日発売)
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20180113
五重塔を建てるため、取り憑かれたように建築を行う職人十兵衛の話。嵐の後でも倒れない五重塔は、人の魂が天災など問題にしないという示唆に思え、人間力の凄みを感じた。
面白さは、妥協も甘えも一切許さない、不器用だが明快な十兵衛の姿勢である。今となっては、このような職人気質な人はいないかもしれない。容量が悪いと言われ批判されるような人であると思う。
しかし、容量が良いとは本当に褒められるべきことか?容量と人が言うときは、仕事ありきで話をしていて、その仕事内で色々なことを円滑にこなせるという意味であろう。しかし、その人のやるべき事をベースに考えると、容量が良いということは使われないだろう。それに一心不乱に向かい、その人の魂を結晶させるのである。容量が良いという言葉を少し気をつけて使おうと思う。



幸田露伴の作品で初読み。
格調高い古典式の文章なので、噛み締めながら硬い地面を読み進めるイメージでいる。
塔を作る大工の話。

源太、女房=お吉
円道
のっそり=十兵衛、女房=お浪、清吉=部下
上人

感応寺、五重塔

読書状況:積読 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年12月13日
本棚登録日 : 2018年1月7日

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