銀行大統合 小説みずほFG (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2004年12月14日発売)
3.26
  • (4)
  • (26)
  • (45)
  • (8)
  • (2)
本棚登録 : 316
感想 : 27
4

3行統合という空前スケールの再編劇で誕生したみずほファイナンシャルグループ。統合当初に発生したシステム障害は当時テレビや新聞のニュース等で観て覚えていますが、本書では3行統合という大再編劇の舞台で繰り広げられた当事者たちの苦闘や苦悩がノンフィクションということでリアルに描かれています。当時駆け出しの20代社会人だった私は改革に対して気概あふれる小泉政権やその政策を応援していました。本書ではみずほFG国有化の危機が日本の国益を損ねるという立場で作者の思いや視点も加味しつつ描かれていますが、大統合の頃から15年経った2014年現在で考えてみると当時の竹中・木村金融チームが日本の金融機関が外資に喰い物にされることに加担していることに他ならないという見方も間違いではなかったかと思います。DKB(第一勧業銀行)が合併銀行であるがゆえに3行統合の足を引っ張ったというのは皮肉ではありますが、未曽有の事態にすごい決断と根回し・迅速な実行をした当時の統合3行の頭取はすごいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月18日
読了日 : 2014年8月12日
本棚登録日 : 2014年8月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする