夜明けのロボット 上 (ハヤカワ文庫 SF ア 1-20)

  • 早川書房 (1994年6月1日発売)
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本棚登録 : 358
感想 : 25
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主に台詞回しで展開されているのでサスペンスではあるが推理は主人公であるベイリにお任せ状態。
サスペンスとSFの二本柱のお話なので、事件の顛末やその推理にはSF的な要素が必要不可欠なカギとなっている。

読み進める中で、現代の地球人にとっては異常と思える価値観をインストールしつつ、同時に普遍的な人間の思考回路(宇宙人の祖先は地球人)で読者も宇宙人も地球人ベイリもコネクトしてしまうという、カオスなようで秩序立った世界観、好きだ!
(ちなみにベイリも現代の地球人とは違う世界に生きる人なので、野外に出ると具合が悪くなったり完全プライベート空間に戸惑ったりする。)

しかもそこには人間に一番近いロボットのダニールもいたりする。神のように美しく人間を遥かに凌ぐ身体能力を持ちながら、人間の脳をいまだ完全に再現することが出来ないせいでたまにみせる不自由さや的外れな態度が、率直に言ってかわいい。(回を重ねるごとにだんだん物分かりが良くなっている。)

地球で加工食品しか口にできないベイリがオーロラで出てくる料理に感動してるのがちょっとかわいそうだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年5月26日
読了日 : 2022年5月26日
本棚登録日 : 2022年5月16日

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