日本人が知らないアメリカの本音

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  • PHP研究所 (2011年8月6日発売)
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大恐慌の原因については、さまざまな原因が指摘されています。表面的には「いきすぎたバブルが弾けた」わけですが、その前提となる構造的要因がありました。(…)二〇年代のアメリカの好景気を支えていた要因の一つは、ヨーロッパの復興需要でした。ヨーロッパの工業生産力が戦争によって全面的に破壊されてしまったため、その欠落を補うような形でアメリカ経済が急成長を遂げたのでした。ところがヨーロッパ経済が復興するにつれ、生産力が世界的に過剰となり、世界資本主義が大不況に陥る構造的要因がつくられてきました。73
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ルーズベルト大統領(任期十九三三~四五年)が「ニューディール政策」と呼ばれる積極的な経済政策によって経済回復をはかったことは、よく知られています。デフレ・スパイラルと極端なバランス・シート不況から脱出するために、公共政策に社会主義的な要素も取り入れ、有効な需要を創出していこうという政策でした。しかし、アメリカ経済を本格的に回復させたのは、ニューディール政策よりも、むしろ第二次世界大戦による大規模な有効需要の創出であったといわれています。75
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感想投稿日 : 2012年3月21日
読了日 : -
本棚登録日 : 2012年2月22日

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