情報を読む技術

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  • サンマーク出版 (2011年1月6日発売)
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「迷っている状況に耐えられず、安易に答えを出そうとし始めたら、破滅が近づいている証拠だ」(…)この処世訓は、情報に対する姿勢にも当てはまります。115
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イギリスは王様でもスパイ罪は訴追されます。たとえば、ピューリタン革命のとき処刑されたチャールズ一世は、歴史の教科書では、議会と対立して、議会の権限を侵して絶対王政に向かおうとしたから殺されたとされていますが、王はじつは、国家反逆罪で処刑されたのです。フランスと通じてフランス軍を援軍に送ってもらって、議会を制圧するという陰謀を進めていたから、とされています。27
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村山政権で、社会党から官房長官になった野坂浩賢という人物がいます。彼が政界引退後に語ったところによると、社会党は、「自衛隊と日米安保を受け入れる代わりに、首相自ら明確に侵略戦争を謝罪することに反対しないのならば、自民党との連立に加わってもいい」という交換条件を出したのです。それにやすやすと乗ったのが、自民党でした。(…)すでに国際法上完全に片づいている問題について二十一世紀に入っても、日本はひたすら謝り続け、足元を見られ続ける羽目になったのです。97
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イスラエルはよく知られた情報大国ですが、デンマークも、国は小さいながらも、じつは情報大国です。ドイツは冷戦時から中国との関係を重視しており、中東から中国にもまたがる地域で隠れた形で深いレベルの中独情報協力を続けてきました。とくに有名なのは、パミール高原にロシアの通信を傍受する施設をドイツの連邦対外情報庁が中独共同で運営してきたことです。(…)中国市場でアメリカ以上の成功を収めているこれらの国は、中国の政府筋、情報筋と密接な協力関係を築いているのです。115
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ロンドンの空港でも、「専門は国際政治学だ」と答えると、必ずといっていいくらい、「ロンドン滞在中の住所をここに書け」とか、「どんな研究でイギリスに来たのか?」としつこく尋ねられました。イギリスの友人にその話をしたら、「イギリスに入国する外国人が国際政治学をやっているなんていったら絶対ダメ。荷物を調べられるのは当たり前だよ」といわれたのを覚えています。(…)こんなところにも、日本人の情報音痴ぶりが表れています。相手国の「関心の構造」がどうなっているかを知らなすぎるのです。175
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月21日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年11月22日

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