四歳で視力を失い「シーンレス」となった著者のルポエッセイ。自由にあるいて移動する--移動の自由は人間の自由の根幹の一つ。人間の動きは社会と密接にかかわっている。白杖で歩く技術の習得、路上の危険などその現実が著者の体を経由した文章で伝わってくる。
筆者は表題の通り「感じて歩く」。シーンレスの三人に二人が線路転落経験があるという指摘には愕然とするし、偏見には心が痛む。しかし著者は適度な毒とユーモアで包み込む。想像力や共生といった言葉をもう一度点検したい。★4
・岩波書店によるmoreinfo→ http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-025841-8
・『週刊文春』の著者インタビュー http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1557
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本の福祉
- 感想投稿日 : 2012年9月13日
- 読了日 : 2012年9月13日
- 本棚登録日 : 2012年9月13日
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