青井未帆『国家安全保障基本法批判』岩波ブックレット、読了。2012年自民党が法案を公表した「国家安全保障基本法」。平和国家のあり方にとどめをさす危険な法案を検証する一冊。集団的自衛権を含め「法から自由になりたい」反立憲主義がその根柢には存在する。
「日本は戦後、日本国の名において、国外で人を殺していません。日本の自衛隊は、自国民に銃口を向けたことがありません。武器禁輸政策という世界でも稀な政策を長らく採り、軍縮・平和外交に貢献してきました」。これこそまさに憲法の掲げる平和主義を70年かけて具体化した形。
「我が国と密接な関係にある他国」のために、海外での武力行使をすることのどこか「積極的平和主義」なのだろうか。積極的平和とはガルトゥングの造語。戦争がない「消極的平和」に対して、それは、貧困、抑圧、差別などの構造的暴力がないことに積極性がある。言葉に忠実でありたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
憲法
- 感想投稿日 : 2014年5月16日
- 読了日 : 2014年5月16日
- 本棚登録日 : 2014年5月16日
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