中井の主著の一つということで手に取った。
少なくない患者は、その住まう文化に依存する形で病む。文化圏に依存しない普遍的な病み方、文化特有の病み方(例: 狐憑き)があり、さらに個人的な病み方(個人症候群)があると中井は言う。
精神医学の理論だけでなく文化人類学の豊かな知識と臨床経験をもつ中井ならではの視野の広さで様々な検討が行われる。
とはいえ精神医学の実際のところを知らないため、素人にはなかなか議論の深みがわからない部分も多い。冒頭の方の、明治以降に現れる新興宗教の教祖たちについての洞察がもっとも面白かった。
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- 感想投稿日 : 2023年3月31日
- 読了日 : 2023年7月23日
- 本棚登録日 : 2023年3月23日
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