黄泉の犬 (文春文庫 ふ 10-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年12月4日発売)
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感想 : 23

オウムサリン事件の首謀者、麻原彰晃の視覚障害の原因が水俣の水銀被害によるものではないかという著者の仮説は現在では確かめる術はないが、そのような時代、環境に麻原が身を置いていたという事実は見逃せない。
オウムの事件についての考察から、昨今のインド巡礼をはじめとした、スピリチャルブームを痛烈に批判している。その一言々が著者自身、身をもって得た言葉だと思えるので説得力があり、脱カルト本としても大いに役立ちそうだ。ただ、語り口が偉そうで苦手。つい反発したい気持ちになってしまう。

〔私はあるとき自分が空中浮遊したと言い張る青年と心ならずも議論したことがある。私は彼が涙を流さんばかりに浮遊したと言い張るので、最後には折れた。そしてこう言った。「君は浮いた。そう言い張るならたぶん浮いたんだろうな。で、それがどうした?」〕

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 信じること
感想投稿日 : 2015年4月18日
読了日 : 2015年4月18日
本棚登録日 : 2015年4月18日

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