美貌帖

著者 :
  • 河出書房新社 (2015年2月4日発売)
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感想 : 4

こってりとしたエロティシズム漂う作品より、コシミハルのCDジャケットのリスや歌舞伎のスケッチが好み。我が家の玄関先には額装した演劇界の連載頁を飾っている。三島由紀夫をソデにした件や、ヴィスコンティの衣装制作者からタッジオ着用のセーラー服を贈られたこと、ミラノのグッチにて紋付袴姿で尋常ならざる買いっぷりに店員から「大名ですか?」と尋ねられた話とか、痛快面白エピソードも満載。60〜80年代の時代の空気も感じられ、とても楽しめた。思いっきりナルシスティックだけど、嫌味は感じられずむしろ爽快。

偏愛対象が重なるところも画家に惹かれる理由のひとつ。私も一番好きな画家は雪岱と言ってもよいのですが、氏は孫弟子にあたるのですね。
ひとつ気になったのは、鎌倉の澁澤家に贈った絵「矢川さんが今も大切に持っている」と書いているが…どういう意味だろう…。
京都、石塀小路にあった金子國義プロデュースの店『紅蝙蝠』にはよく行った。とても雰囲気のある場所で、金子氏の作品は勿論、雪岱の軸を飾っていたり。二階では、画家デザインの着物も展示していて、浴衣を買ったことも。この浴衣、中村屋の役者さんたちも着ていました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 美術
感想投稿日 : 2015年4月4日
読了日 : 2015年4月4日
本棚登録日 : 2015年4月4日

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