広島の原爆 (福音館の科学シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店 (1995年3月31日発売)
4.31
  • (30)
  • (12)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 295
感想 : 39
5

図書館。8/6に向けて、年長娘と、絵本を通して少しずつ話し合ってみようと思って借りた。が、今回は私が読むにとどめた。
娘とは当日NHKで放送された式典を観ながら、戦争があったこと、今もなお戦争はあって、戦争により沢山の人が悲しい気持ちになること、もう二度とそんな悲しい戦争をしないぞという誓いを立てている式典が今広島で行なわれていること、平和という概念があること、私も、この式典に参加している人たちも、平和を望んでいること、を話した。原爆のことには、言葉を選べず、触れられなかった。

話しながら、自分の言葉に薄っぺらさを感じたというのが正直なところ。

なぜ、戦争が起きるのか。抑止力・防衛の名の下に、今なお核兵器は存在し、日本も核兵器こそ保有していないものの、核兵器禁止条約を批准していないという事実。

個人として平和を望む気持ちと、しかしその反面、国のもつ防衛装備に守られ、かつ核を持つ米国に守られている…(のだろうか)という事実。守られている中で平和を望む…自分は甘いのだろうか?

昨年8月、ピースポート提供の動画で、サーロー節子さんが、「理想主義者になるということは、非現実的になるということではありません」と仰っていた。この動画を視聴して以来、エネルギー政策について考える時にもよく頭の中でサーローさんの言葉を反芻する。そして、自分にとっての理想は何なのかを考える。そして、現実にある問題を、ともすると積極的に見ようとしなければ見えなくなってしまいそうな問題を、しっかり見ようと意識する。それでも、時間は有限で、日々の生活でいっぱいいっぱいになってしまう日もある。知ろうとするたびに、自分の知らなさや、想像力の欠如を自覚する。結局自分は頭の中でぐるぐる考えているだけで、問題解決のために何も貢献できていやしないではないか、とも思う。まずは、知る事、考える事。そこから逃げたくない。そして加えて投票で意思表示する以外の行動を起こさなくてはという気持ちと、尻込みする気持ちと。

・・・書きながら、平和についてのことと、エネルギーについてのことが、ごっちゃになってしまった。

この本は、考えるきっかけをくれる。夏が来るたびに読み返したい。
2021/8/9

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2021年8月9日
読了日 : 2021年8月9日
本棚登録日 : 2021年8月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする