シリーズ2作目。
前作で活躍した緋山燃が探偵として再登場。性悪探偵の三途川理も残念ながら絶好調です。
なんでも知ることのできる不思議な鏡で探偵業を営む襟音ママエVS良心の欠如した名探偵三途川理。
怖い后とタッグを組んだ三途川の魔の手から、襟音ママエは無事逃れることが出来るのか?今作では「白雪姫」がモチーフになっているようです。
なんでも知っている鏡で一足飛びに真実を知ったとしても、そこに至るまでのプロセスを証明しなければ解決しないというのがおもしろい。
逆に言えば、そこに至るまでの説得力のある証明が出来れば、真実でないことも真実として通じてしまうということです。
最初の事件で襟音ママエは探偵として最強の武器である鏡を所有しながらも、全く信頼を勝ち得ることができませんでした。
対して三途川が状況に柔軟に対応して真実を歪めていたのがすごい。ピザのサラミひとつであそこまで想像力を働かせたのには感動しました。
緋山もママエを助けるために素晴らしい推理を組み立てましたが。
それにしても「おい、便所!」には笑いました。
今作は「なんでも知ることのできる鏡」という超便利な道具をどのように使うかにかかっています。論理VS超常現象でもあり、論理×超常現象でもあり。
こんな便利な道具を手に入れてもわたしなんかは使い道が全く思い浮かびませんが、三途川の発想力はやっぱりすごいと感嘆せざるを得ません。
小人たちが一生懸命頑張っているのが可愛かった。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前作でも今作でも、与えられていない情報や偶然や邪魔が重なって敗北しているだけで、三途川はちゃんと最善手を打っているように思います。
こんなにも常識無視の性悪探偵ですが、一番ルールや論理に捕われているのは彼なのかもなぁ、とも思ったり。
鏡爆弾という発想はとにかく驚きました。
鏡の消失トリックはおもしろかったです。
最後に止めをさしたのがリンゴというのも良い。
- 感想投稿日 : 2014年4月30日
- 読了日 : 2014年4月26日
- 本棚登録日 : 2014年4月25日
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