ルポ「断絶」の日韓 なぜここまで分かり合えないのか (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2019年6月13日発売)
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本棚登録 : 49
感想 : 8
3

著者の意図した方向には☆1
著者の意図しない方向には☆4
総合で☆3

どれだけ現地で情報収集を重ねていても、イデオロギーで曇ったら何も見えないと言うことが、著者の牧野愛博氏や、町田貢元駐韓公使の発言からは哀しいほどよくわかる。

賛同できないまでも、理解しなければならないのはわかるし、実践したいのだが「日本相手には何をしても良い」「合意も協定も国際法も守る必要が無い」を正当化できるロジック(感情では無く、ロジックが存在しなければならない)というのは、正直理解できない。

「日本の軍国主義」を主張しながら、自衛隊機に火器管制レーダーを照射するような連中に一貫した思考は本当にあるのだろうか?(本当に軍国主義だったら、どう反応すると思っているのか?)

であるならば、「日韓」は「断絶」するのが自然だし、「最終的解決」なのだろう。
何しろ、先方は国際法も条約も合意も「日本相手には守らなくて良い」と考えているのだから。
そして、我々も、帝国をやめて70年以上が経過し、二度と朝鮮半島の面倒を見るつもりは無いので。

「日本相手には何をしても良い」という韓国の言動が尖鋭化、過激化しているのが、「民間交流」とやらが盛んになってからだというのは留意する必要がある。つまり、著者の結びとは逆に、「民間交流」とやらは、日韓関係の正常化には何一つ影響して来なかったと言うことだから。
韓国の言動を養護する際に昔多用された「昼は反日、夜は親日」の今風の表現に過ぎないなと<「民間交流という光明」


そして、著者が紹介している町田貢 元駐韓公使や後藤田正晴 元官房長官の発言からは、
彼等のような、韓国に「おもねた」人達が、現在の「日本相手には何をしても良い」と考え、そのまま行動する大韓民国の生みの親と言うことがよくわかる。

日韓関係を「正常化」するためには、韓国に「おもねた」人達が存在し、影響力を行使してしまった過去を反省することが一番重要であると再確認できた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2019年7月13日
読了日 : 2019年7月12日
本棚登録日 : 2019年7月1日

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