文藝 2021年春季号

著者 :
  • 河出書房新社 (2021年1月7日発売)
3.91
  • (3)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 130
感想 : 13
4

桜庭一樹氏の「東京ディストピア日記」がすごかった。自分も体験しているコロナ禍の生活なのに、こうやって作品として外から読んでいると、少しずつ変わっていき不穏な空気が満ちていく様子はまさにディストピア。
周りの空気も、自分自身もどんどん殺伐としていき、徐々に低いところに滑り落ちていくような、なんだかわからないもやもやした気分が見事に言語化されていて、作家ってすごいなと改めて思った。
コロナ禍の記録としても、そこに呑まれそうな自分自身への戒めとしても、ずっととっておきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 雑誌
感想投稿日 : 2021年3月11日
読了日 : 2021年3月11日
本棚登録日 : 2021年1月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする