この作品集を読んで、ものすごくはっきり納得できたことが一つある。私にとっては、それだけでも相当に意義深い。
ボルヘスはボルヘスゆえ(=マジックリアリズムが世界的注目を集める以前からこの作風)、いわゆるラテンアメリカ文学という括りのみで語ることは難しいという意見ある。本書を読んで、私は膝を打って納得してしまった。
もともと尋常じゃない読書量にして、意外と通俗的(?)な本も読んでいるっぽいのは、『続審問』を読めば分る。
で、描く作品の多様性というか、確かにマジックリアリズムとは違う手法が垣間見えるのが本作というわけだ。
いくつかの作品からはSF的なイメージすら感じる(J.G.バラードらが描くインナースペースものに限るが)。
ほかの作品集では、ミステリーふうのもそう言えばあったっけ……
私の中で、ボルヘスって何者!? の答えがふわっとだけど掴めた、掴めちゃった作品(笑)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学(ラテンアメリカ)
- 感想投稿日 : 2013年10月5日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年10月5日
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