北朝鮮の韓国進行に始まる朝鮮戦争勃発から、
洛東江の攻防、仁川上陸作戦を経て
長津湖で中共軍が本格的な攻勢に出るまでを描く。
緒戦の緊迫感や雰囲気はハルバースタムの著に比べると
少し伝わりづらく、時折読みづらさを感じることもあるが、
仁川上陸作戦へ向けての詳細な記述や、
毛沢東、彭徳懐らの狙いが細かく解説されており、理解しやすい。
また韓国軍についての記載も豊富。
捕虜らが極寒の山中を徒歩で連行された「死の行進」についても
悲惨さが伝わる記載がなされている。
マッカーサーが開戦の早い時期から
38度線を越えて朝鮮の平定を目標としていた点や、
中国側の意図について懸念を抱いていたにもかかわらず
マッカーサーを止めることができなかった点、
CIAが全く機能していない点など、
今後の悲劇へと繋がる舞台が揃いつつあり、下巻も大変に楽しみだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
近-現代史
- 感想投稿日 : 2013年9月13日
- 読了日 : 2013年9月13日
- 本棚登録日 : 2013年8月12日
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