文庫で600ページある長編。
ある家族の幼い子供が、不運なことに命を落としてしまう。
この本の3分の2くらいまでは、どこの町にでもあるごく平凡な日常が、色々な立場の人間を追って描かれている。
肝心の子供の死に辿り着くまで400ページくらいも同じ調子で続くし、何やこの話はー!?と、だらだら読んでいましたが、肝心なところは子供の死ではなく、死を作り出した色々な人のごくあたりまえな日常の一コマの積み重ねだという事が見えてきたあたりから、ものすごく深い話になった!
些細な事の積み重ねが、真綿で首をじわじわ絞めるように不幸な結果に繋がっていく。
劇的なトリックも奇抜な演出も何もないからこそ、恐怖だった。
それと共に、社会的な問題も見事に描き出されている。
このような、不運としか言いようのないことの当事者、又は関係者になったとき、人はどう反応すれば、区切りがつくのだろうね。
答えがない問題です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年12月10日
- 読了日 : 2011年12月10日
- 本棚登録日 : 2011年12月10日
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