読メで評判が良さそうだったので、ポチッと。確かに帯には2011年読メ心に残った本1位の文字が。
和菓子に絡んだ日常ほんわかミステリー?読後感があったかくて良い感じの本でした。
甘党には、しかも和菓子派としては堪らなく面白いテーマの本でした。和菓子万歳!
上生菓子が食べたくなりますね(笑)ときどきコンビニでお団子とか買いますけど、生菓子は久しく食べてないなあ・・・なかなか良いお店を知らないし。デパ地下に行ってみるかあ。中央線沿線でどこか良いお店があったら教えてほしいです。ああ、上生菓子食べたい。
あ、関係ないけど、太宰府のできたて梅ヶ枝餅うまかったなあ。寒い外で食べるあったかいお餅とアンコという組み合わせが堪りません。う、思わずヨダレが。
お菓子にこんなに謂れというか、歴史というか背景があるとは知りませんでした。季節ごとのお菓子というのも、小さい時に何気には見ていたけど、こうしてちゃんと説明されるとフムフムですね。未開紅もGoogleでみたら、見たことある気がするもんなあ。でも食べてはいないな、あんな文中にあったような食感は知らないもん。
季節感ってのは四季を有する日本ならでは、なんだろうなあ。
あと、デパ地下のちょっとした内情というかウラ話的なところも面白かったです。なかなか他の職場の雰囲気とか実情って知らないですからね。
見立てやメッセージに満ちている和菓子の世界。見立てと掛詞、言葉あそびが良い。こういうものを読むと日本語ってすごいなー、きれいだなーと思う訳ですよ。和菓子の隠語もなかなか。イメージと言葉あそびと意訳。連想ゲームですよね。おはぎの七変化にもビックリ。途中から「それは言われないとわからない」レベルまで深化していきますが(笑)。言葉遊びが楽しかったなー。ま、言葉遊びといえば、京極夏彦さんに西尾維新さんって感じなんですけどね、私としては。
松風の由来から、松だけで寂しい→待つだけで寂しい・・・もう電車で読んでいて涙ボロボロ。気丈に振る舞いながらも、その言葉の裏を汲み取って、というのが心にズガンときました。今でも思い出したら涙が・・・桜井さんの雄叫びの気持ちがよくわかる。
千切から契の掛詞もなんかこう感動したというか感心したなあ。こんな謎掛け面白い。でしかも「解かれなくてもいい謎」という椿店長の言葉にも重みを感じたし、返しの結千切ってのも粋ですねえ。
でも、ちょいとミステリーに無理を感じなくもないかな。落とし文の社内内部告発はちょっとスケール感が??
続編あったらなあ、と思ったら、文庫版解説では「続き」があると。いや、これはまだまだ続編読みたいですよ。もっと和菓子の秘密・歴史を知りたいし。椿店長の過去話も見てみたいような。立花さんに桜井さんもいい味出しているしね。
坂木司さんはこれが初読み。解説では他にも職業モノを書かれているとか。興味はあるけど、やっぱこのアンコシリーズがじぶん的には一番な気がするなあ。
あとがきの水羊羹のちっちゃいスプーン(笑)。あーわかるわかる、なんて感じで、最後までクスリッな感じでした。
アンちゃんは森三中の真ん中のちっちゃい人のイメージ(笑)
- 感想投稿日 : 2013年1月13日
- 読了日 : 2013年1月12日
- 本棚登録日 : 2013年1月13日
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