「生き残った者、死ななかった者の罪の意識、後ろめたさ」についての考えは自分が当事者でない事象への向き合い方の参考になる。
福島第一原発の事故については、原発を地方に押し付けてきた加害、そしてそこで作られた電気によって生活をしながら現地の危険を省みてこなかった加害。そういったシステムを支持してきた加害。事故以前から自覚的だった人がどれほどいるだろうか。私たちは無意識のうちに加害者になっている。
原爆死没者慰霊碑の碑文に「過ちは繰返しませぬから」とある。過ちを犯した主体という意識がなければこの言葉は出て来ないだろう。
自身の加害に無知であること、自身の加担に無関心であること、それらの代償を払うのは必ずしも自身ではないということ。だからこそ過ちは繰り返しませぬからと継続的に誓い、行動で示さなくてはいけないのだろうと思う。
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- 感想投稿日 : 2020年9月4日
- 読了日 : 2020年9月11日
- 本棚登録日 : 2020年8月17日
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