敗戦後論 (ちくま文庫 か 45-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2005年12月1日発売)
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感想 : 17
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 先生のおすすめからもう一つ。
「現在の自分を肯定しようとすれば、敵であったもの、自分達を蹂躙した相手を寿がざるをえない、その『ねじれ』こそが敗戦国の国民に背負わされる構造なのだが、そのねじれをねじれとして意識すらしていないという、さらに二重のねじれの中に戦後の日本人はある」

 …ぷは!息きれそうな長文を書いた!がんばった!
 で、戦後の日本人は「ねじれ」の両極にあるものを、それぞれ別の人間を代表させて対立することで、内的な葛藤を避けている…と続きます。あ、これって岸田秀先生の言うところの「黒船来寇以来日本は分裂症である」って話だね?…と思ったら、文中にちゃんと触れられてました。やっぱり。
ご一新以来の日本人の病理ってことなのかな。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: そのほか
感想投稿日 : 2009年7月25日
本棚登録日 : 2009年7月25日

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