なんだかとっても相手の気持ちを思いやるような穏やかな話で。
この作者さん、こんな話も書けたんだ……と、ちょっと目から鱗でびっくりしてしまいました。すみません。
とりあえずあらすじとしては。
母が亡くなり、父が海外赴任する事になり、優真は弟の和真とともに、血の繋がらない脚本家の叔父・翔惟の家に居候させてもらうことになった。
本当は昔から大好きだった翔惟にもっと甘えたり、いろいろ話したりしたいけれど、天真爛漫な和真とは違い、引っ込み思案で慎重派の優真は、恋心どころか、自分の想いすらもなかなか言葉に出来ずにいた。
そんなある日。
翔惟が風邪を引いて、高熱を出し、優真はその看病をすることになった。
平気だ、という翔惟に対して、こればかりは譲れないと布団から一歩も出さない様にした一日。
つい、優真は疲れから、母を看病していたときの習慣で、翔惟の布団に潜り込んでしまったようで、眠りから覚めた優真が気付いた時には翔惟の腕の中。
慌ててそっとベッドから抜け出そうとすると、翔惟に引き止められ、そのまま口づけされる。
翔惟が寝ぼけていると思った優真は、一夜限りの夢のようなものだから、とそのまま翔惟に身を任せてしまう。
翌日、翔惟と顔を合わせた優真は、何もなかった事にしてしまおうとするが……という話。
そこから先も相変わらず引っ込み思案な優真は、やっぱり自分の恋心を自分だけで抱えて行こうとするけれど。
一度触ってもらったら止められない気持ちが生まれてきて。
弟の和真と翔惟が話したりスキンシップをしているのを妬ましく思ったり。
翔惟に別の好きな人がいると思って傷ついたり……。
そうやってちょっとずつ、誰かの陰に隠れて、自己主張をしないのは、ある意味逃げているのだ、ということに気が付いて。
自分の気持ちを翔惟に伝える事にする。
そんな感じで、ちょっとずつ優真が、自分の事に気が付いて。
そして、前向きになるまでが、とっても優しく書かれていて。
なんかちょっとしんみりした。
そしてこんな控えめな優真が、ベッドの上で……というか、翔惟と二人きりのところでは、思う存分、翔惟を求めるし、必死で翔惟を引き止めようとするから、めちゃくちゃエロい……。
なんていうか、ダメだよ、こんな一途で真っ直ぐな子、手込めにしちゃ、おじさん! って言いたくなるんですが。
決して、翔惟は人を弄ぶタイプではないから、まぁ、よしとしてあげよう……みたいな(爆)
昼間は貞淑、夜は貞淑かつ淫らな優真にくらくらしました。
- 感想投稿日 : 2011年10月15日
- 読了日 : 2011年9月12日
- 本棚登録日 : 2011年10月15日
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