どうして、この作者さんはこんなに、青い感情をうまく書けるんだろう……?
というよりか、この作者さん、大学を卒業してちょっと上くらいの年齢の人の葛藤を書くのが、すっごく上手ですよね。
今回は、利仁の葛藤。
今まで、適当に要領よく赤点ギリギリで、試験を乗り越えてきた、利仁だったけれど、ついに口腔外科の試験に躓いてしまう。
「永野はゲイだ」と友人から聞かされて、悲壮な覚悟で講師室に向かった利仁だったが、待っていたのは、鬼の様なしごき、そして暴言……。
面と向かって、永野に「馬鹿だ」と罵られた利仁は、持ち前の負けん気に火がついて、永野を見返してやろう、という気持ちで、一週間、永野の補習を受けることになる。
最初は、いやいやだったけれど、永野の教え方の丁寧さと、口腔外科学に対する真摯な姿勢に、次第に考えを改めるようになる。
そして、永野の秘められた恋心に触れて……
というような感じでしょうか。
なんというか、こういう気持ちの流れの書き方がすっごいぐっとくるような話だったように思います。
ただ、他の作品よりは、ちょっと気持ちの流れがスムーズに行き過ぎてるかな? というような気もしないことも……。
でも、好きです。
穏やかな小説が好きな人にはオススメです!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(BL)
- 感想投稿日 : 2011年10月16日
- 読了日 : 2010年11月6日
- 本棚登録日 : 2011年10月16日
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