可愛くて賢くて働き者と評判の水橋家の三男・紬里。
けれど、そんな紬里は、もうずっと俺様でいい加減で女にだらしない次兄の和臣が好きだった。けれど、紬里は和臣には言いなりになる便利な存在としか思われていなくて、タバコを買いに行かされたり、後片付けをさせられたり……
養子である自分が家族の和を壊してはいけないという思いもあり、紬里は和臣に対する想いを諦めたいのに、諦めずに悶々とする日々。
そんなある日、紬里は和臣の友人に寝込みを襲われかける。だが助けてくれたはずの和臣に手を手を出されてしまい、紬里はその経験が忘れられなくなってしまう……
というような話でした。
和臣は、家に自分の友達をいっぱい連れてきて、紬里にご飯を作らせ、後片付けをさせ、足りないものは買いに行かせ、おまけに女をとっかえひっかえ……と「俺様」というのも俺様に失礼な感じの男の人で、俺様というよりはむしろ横暴……。
そんな和臣をどうして好きになってしまったのかわからないけれど、拾ってくれた恩そのままで、インプリティングのように和臣だけに振り回されている紬里。
そして、和臣に手を出されたことで、紬里はますます追い詰められて、だんだん体調とかも悪くなってきて……と。
和臣は和臣で、紬里に手を出したことで、それを「悪くない」という自分に気が付いて、でも、もう一回手を出したら、思い切り紬里に拒否されちゃって、泣かれて……
「紬里に泣かれたくない」という思いが自分の中にあるのに気が付いて困惑する……
とそんな感じで、結局は和臣も紬里のことを好きだと思ってハッピーエンド……なんですが。
渡海先生の本ってもっと胸がぎゅっとなる小説だと思っていたので、そういう意味では、ちょっと期待はずれ。普通のBL小説くらいのぎゅっと具合でした。
でもまぁ、それって結局のところ、期待値が高すぎるので、しょうがないといえばしょうがないのかなー……とは、思っています。
普通に読む分には十分、面白かったです。
- 感想投稿日 : 2011年12月16日
- 読了日 : 2011年12月15日
- 本棚登録日 : 2011年12月16日
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