文庫本の裏表紙には「真打ち」と評されていたが、本書は本当にエッセイの傑作。何より、登場人物が生き生きしていて読んでいて楽しい。まるで、頁から彼らが生きた暮らしの「におい」が漂ってくるようだ。
日常の何気ない場面から連想が様々に飛び、それらは一見バラバラで脈絡の無さそうに見えるのだけれども、その実有機的に結び付いている、というのが、正に「職人芸」の極みと思う。
24編のエッセイが収録されていてどれも魅力的だが、1番のお気に入りは「お辞儀」。親がお辞儀する姿を見た居心地の悪さ。とてもよくわかる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
9 文学日本
- 感想投稿日 : 2019年11月7日
- 読了日 : 2016年5月28日
- 本棚登録日 : 2019年10月20日
みんなの感想をみる