新潟・燕三条の地場産業である、銅食器の若き職人と、その職人と婚約したギャル(と言っても少しクダけてる女の子程度)の物語。
ラブコメ要素も若干あるにせよ、職人として銅と向かい合う姿勢、そしてギャルとはいえ天真爛漫でまっすぐな女の子、そして彼らを取り巻くちょっとムズカシイけど優しい人々が織りなす、実はすごい手堅く、かつ読んでホッとするような作品です。
なので………出版社の営業さん(?)が考えているのかはわかりませんが、ライトなラブコメの側面ばかりをプッシュしているこの本のアオリ文には大きな違和感があります。紙の書籍を手に取ってもらうとわかりますが、表紙が銅を打った跡のように細かい"目"のように波打った加工が施されており、実に凝った装丁になっています。おそらく、本を作る立場にいる人たちは、そういった売られ方を期待していなかったのでは?と思ってしまうほど、丁寧に作られた本です。
だからこそ、そのアオリで離れてしまうような人にこそ読んでほしい作品だと思うのです。本当にもったいないです(し、このレビューをきっかけにして挑戦しようか迷っている人たちのとっつきづらさを少しでも解消できればと思います)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年3月29日
- 読了日 : 2021年3月28日
- 本棚登録日 : 2021年3月28日
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