アウトフェイス ダブル・バインド外伝 (キャラ文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2012年11月27日発売)
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本棚登録 : 309
感想 : 20
3

『ダブルバインド』のスピンオフ。新藤さんと忍ちゃんのお話。『ダブルバインド』のふたりもチラッと登場します。本作の中でも圧倒的な存在感だった忍ちゃん。相変わらず盲目的に新藤さん命で、そのためなら自分なんてどうなったっていいっていう刹那的な恋愛観も健在。
冷徹な顔とは裏腹に秘めたる情熱を燃やす新藤も懐が深くていい男。忍ちゃんみたいに厄介なタイプは新藤さんくらい度量の大きい男じゃないと無理かも。
今回も新藤を逆恨みしてつけ狙う元構成員と、忍ちゃんがまさに体を張って対峙するのだけれど、彼の自分の命に対する価値観の希薄さは、一緒にいる人間にとっては堪らないと思う。
ストーリーは基本忍ちゃん視点なので、どうしても新藤さんを守るためなら何でもするっていう忍の感情に目が行きがちだけど、
『俺のためといいながら、お前は俺の気持ちを一切考えていない。俺が一番望んでいることを蔑ろにして、お前は何を成し遂げたいんだ。お前を幸せにしたい。なのにお前は自分の幸せなんてどうでもいいという。お前をどう愛すればいいかわからなくて途方に暮れる』ていう新藤の言葉にすごく共感した。
なんだかんだいってもこのふたりは破れ鍋に綴じ蓋カプで、これからも、時に勢い余って衝突しても仲良く暮らしていくんだろう。
ところで、個人的には上條×瀬名よりもこっちのカプのが好きなくらいだし、忍ちゃんはトリッキーでいじましくてかわいいと思うんだけど、なんかエロにいまいち色気がない気がするのはなんでだろ…
『お前、少しはじっとしていられないのか?』とか『今は俺が抱いてるんだ』とか新堂さんに言われちゃうから?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヤクザ・刑事
感想投稿日 : 2013年2月7日
読了日 : 2013年2月7日
本棚登録日 : 2013年2月7日

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