『エスコート』シリーズ第2シーズン。
人材派遣会社『エスコート』から、唯一専属のボディガードとして買い取られた鞠谷(マリヤ)のお話。
アメリカの巨大企業を一代で築いたダン・サイモンからガードの依頼を受けて、マリヤを迎えに来たのは、ダンの養子であるジェラルド。
マリヤの中性的で蠱惑的な容貌、食えない性格、奔放な物言いに、
本当にボディガードなのか、もしかして養父ダンの愛人なのではないかと疑いを持ち始める。
お互いを探り合うような、ふたりの丁々発止なやりとりが結構おもしろい。
日本とアメリカ、全く違う環境に育ちながらも、恵まれない生い立ちというどこか共通点を持つふたり。
マリヤに反発しながらも、徐々に惹かれていき、しまいには養父にまで嫉妬してしまうジェラルド。
マリヤの方は、たぶん最初からジェラルドに興味ありありだったと思う。
自分の命を狙う陰謀があるとマリヤを日本から呼び寄せたダンのマリヤに対するベタ甘っぷりが半端なく、はたから見ると完全に若い愛人に入れあげてるおじさんの図。
これもきっと何かの作戦なのだろうと、わたしもまんまとミスリードされました。
いや、確かに陰謀を暴くための作戦でもあったのだけれど、『甘やかし』は素でした。
なぜなら、マリヤはダンの実の息子だったから・・・というオチです。
実の息子と養子が恋人同士か~・・・ふ~ん。
ちょっとトリッキーなわがままプリンセスに振り回される、男気あふれる大人の男ジェラルド。
予測不能なマリヤの行動に手を焼きながらも、押さえるところはしっかり押さえていて、なかなかいい感じ。
マリヤも実は専属ボディガードとしての自分のポジションにプライドを持っていて、ただのややこしいかわいこちゃんではないです。
この話。まあ、普通におもしろかったけど、『エスコート』シリーズってほど『エスコート』が絡んでなかったなぁ。
一応、これまでの登場人物もちらっと出てきたけれど。どちらかというとスピンオフ?
やっぱ、『ディール』と『フィフス』みたいなのが読みたいんですけど。。
- 感想投稿日 : 2012年7月24日
- 読了日 : 2012年7月24日
- 本棚登録日 : 2012年7月24日
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