世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派"プロフェッショナルのすすめ

  • 東洋経済新報社 (2006年5月1日発売)
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◎プロフェッショナルの定義
①圧倒的な知識・技術を持つ
②自分の仕事にパッションとプライドをもつ
③個人で勝負する
④充実した生活を送る
⑤自分の主張・見解を明確にもつ
⑥仕事の完成度が高い
⑦安住しない
⑧余裕があり誰に対しても親切


◎国際派プロフェッショナル
①活動の場を日本に限定せず、常に世界を視野に入れている
②一般的な知名度はなくても、国内での名声を超えて、世界で知られている
③世界における日本の役割、世界への貢献を意識している
④世界のネットワークにつながろうとしている、あるいはそこで勝負している
⑤社会や若い世代のために各種の活動を行っている


◎「国際派プロ」になるメリット
①武器を持っているので引く手あまた
②どこへ行ってもプロフェッショナルと交流できる
 有益なコメントがもらえ、それがきっかけで自分の考えが進められる
③世界共通の「クラブ」に属する
④個人として認められる
⑤世界レベルの報酬で仕事ができる
⑥社会的な仕事の可能性が開ける


◎プロフェッショナルに共通する資質・要件・特色
①「個の腕」で機能する
②アウトプットとの明確な関係
 自分のやった仕事の成果が明白であり、その成果に対して責任の所在がはっきりしている
③結果の責任をとる
 結果について責任を感じ、自身の成長につなげていける
④開かれたコミュニティで鍛えられる
 同業の仲間と形成するコミュニティは、互いを厳しく評価する場
⑤「当事者意識」をもつ
 確信ある提案をし、代替案を準備している。悪い結果でもきちんと責任をとる。
 コミュニティでの議論にも当事者として積極的に発言していく。
⑥大局観をもつ
 世界はどううごいていくのか、自分のかかわっている分野は将来どのように変化していくかを常に考える
 
 
◎今は幕末と似たような状況。
若者は今こそ適切なロールモデルに出会い、感化され、これが教育となり、国際派プロフェッショナルとして世界を舞台に活躍すべき。


◎ブロークン・イングリッシュでもよいから、世界の動きや課題について自分の主張をもち、それをどんな場でも表現しようという意欲・姿勢のある人に早く出てきてもらいたい。


◎小さな失敗をたくさんするメリットは、自分自身でリカバリーするコツを体で覚えられるからだ。
失敗したことのない人は決して成功しないし、信頼できる人とはいえない。


◎旬はたいてい若いときに訪れる。どれだけ若いときに一流の人に接して刺激を受けたか、仕事をする機会があったかにより、潜在能力は同じでも、開発、発揮されるレベルが違ってくる。
つまり、旬の時代に世界で最も優れた人たちと仕事をすることが重要だ。


◎チャンスは誰にでも平等に来るが、それをつかまないと過ぎ去ってしまう。逃したチャンスは二度と戻ってこない。そのときにしかないということをまず頭に叩き込み、先の見通しがはっきりしていなくてもとりあえずつかんでみる。なんでもやてみると、そこからいろんなことが開けてくる。


◎幸運は準備をしている人のところに舞い降りてくる。


◎「すごい」と思う人に出会ったら、まずその人に私の思いを伝えなければならないと思っている。ダメでもともとという精神でメールや手紙でお礼状を出す。


◎会社を辞めてから接触がなく、数年たってその人の話題を聞いたような場合、そのタイミングを活用して、「元気ですか、今何をしているのですか」など電話をしたり、メールをしたりする。それが結局関係の継続につながっている。


◎30代(キャリアアップ期)の過ごし方
群れから距離を置き、個人として存在する、行動することはとても大切なことだ。


◎自己アピールの重要性①
話し方の訓練も行う。たとえば10分間話せと言われたとき、時間内にパンチのきいたことをどうやって話すかが大切になる。そのために時間を区切ってプレゼンテーションの練習をするべきだ。


◎自己アピールの重要性②
自分の武器は何かを知り、誰に対してもいやみなくアピールする。


◎小さくても一つの組織の長になってみる
組織の目指す共通項目とそれを達成する時間を設定し、組織のメンバーにミッションを割り振り、目標を達成するための共同体をつくりあげる。


◎仕事があり、家庭があり、友人があり、人によっては地域コミュニティがあって、女性にはいくつもの役割が与えられる。
いくつもの役割を果たすうちに、自然に多様なものの見方や価値観を身につけることができる。


◎30代以降の過ごしかた
自分の専門分野だけでなく、時事問題、世界の情勢、人類共通の緊急課題など他の領域の問題も認識し、それに対して自分の考えを持つことはすごく大事だ。

後進を育てるという意識ももつべきだ。海外のプロフェッショナルは、自分が上司や師から学んだ考え方やスキルを次世代に渡すという役割を常に意識している。

プロフェッショナルが次の世代のメンターになることはすごく大事だ。


◎国際派プロフェッショナルに必要な五つの力とは、
 ①現場力…名まで体験し、耳で得た情報から判断する能力
 ②表現力…自分なりのメッセージを持ち、多くの人に伝える能力
 ③時感力…どんなかたちでも物事を達成するまで詰める能力
 ④当事者力…常に「自分」は何ができるか考え、結果を求める能力
 ⑤直観力…押さえるべき「ホット・ポイント」見出し、そこに集中する能力
 
 
①現場力を磨くために
・まず現場に行く
・報道と現場情報の違いを確かめる
・事象の背景を考える

②表現力を鍛えるために
・社説や記事に対して常に自分の意見をもつ
・映画などを見たら自分の感想を見ていない人に説明する
・子どもに自分の仕事のよさを説明する

③時感力を磨くために
・自分の一日、一週間、年度計画をつくり、実行、レビューする
・夢に日付をつくる
・Exitプランを作り、見切りのポイントを決める
・年末や誕生日などの区切りの時期に、自分の活動のたな卸しをする

④当事者力を磨くために
・世界的に解決されていない問題を、自分にも関係があることとして、まず関心をもつ
・自分の専門領域の技術が使えないか、人脈を活かすことができないか、など考える

⑤直感力を磨くために
・新しい店、レストランに行ったり、初めての人に会ったら、それを一言で知らない人に説明するために最も効果的・効率的な説明方法を考える
・1ページの記事のサマリーをすぐその場で言う
・自分の仕事を改善するとしたら、どんな指標を見るか、それはなぜかを考える
・自分が属する組織の長になったら、最初の3ヶ月で何をするか、それはなぜかを考える。その後自分の仕事をもう一度見直す


◎プロフェッショナルとして不可欠な資源に、人生に対する基本的な姿勢がある。
①プラス思考
まず行動ありき、というアクション指向
「仕方がない」ではなく、「何とかする」への転換ができる人

②バランス感覚
どんな分野でも一流になるには、「この世には自分は一人しかいない、何か勝負できるもの、意味があるはず。それで勝負」と考える。

ぶれることのない自分の原則(プリンシプル)をもっと同時に、それを守るためにはときとして朝令暮改も辞さない姿勢が必要である。

プロフェッショナルは、常にもっと良いことが待っている、よりよい世界が開けるし、それを切り拓くのは自分という意識が強い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発・習慣
感想投稿日 : 2011年1月6日
読了日 : 2010年12月30日
本棚登録日 : 2010年12月30日

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