失われた時を求めて 3 第二篇 花咲く乙女たちのかげに 1 (集英社文庫)

  • 集英社 (2006年5月19日発売)
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スワン夫妻とジルベルトの物語はどうやら終焉を迎えたようだ。この巻にはノルポワ氏や作家のベルゴットとの接点を通じて、プルースト自身の芸術観が垣間見える。すなわち「天才的な作品がただちに人びとに賞讃されること」の難しさと、それにもかかわらず「作品自体が、天才を理解することのできる精神の芽を作り」、かくして五十年の歳月をかけてベートーヴェンの四重奏曲の聴衆を増やしたと言うのだ。そういえば、このことを知っていたスタンダールも、自らの小説の評価を五十年後に託したのだった。プルーストの評価には五十年は必要なかったが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆フランス文学
感想投稿日 : 2013年12月4日
読了日 : 2013年12月4日
本棚登録日 : 2013年12月4日

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