人間そっくり (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1976年5月4日発売)
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本棚登録 : 2378
感想 : 203
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本書は解説によれば「日本SFシリーズ」の1冊として刊行されたらしい。また裏表紙にも「異色のSF長編」とある。しかし、これがはたしてSFかといえば、私の解釈からすれば答えは否である。今日的な観点からすれば(刊行は1967年)むしろ、純文学の範疇に位置づけられるべきだろう。主題は、自己と、そしてまたその周縁の他者をも含んだアイデンティティへの懐疑ということになるだろうか。それを4人の登場人物(主には2人だが)の対話の中で描いていくのであり、その意味では小説でありながらも、きわめて演劇的な指向性を持った作品だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2014年5月3日
読了日 : 2014年4月29日
本棚登録日 : 2014年5月3日

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