この2作を読むと、シェイクスピアにおける喜劇とは何だろうかと思う。ことに、「あらし」がそうだ。喜劇の定義がよくわからないが、どうも悲劇でないものとしか言いようがないようにも思えるのだ。さて、篇中前半の「夏の夜の夢」は、戯曲として読むよりは、舞台で見る作品だ。ここでは、3つの世界が劇を構成するが、何といっても妖精の世界をいかに見せるかに演出の妙があるように思う。人間技を超えた軽やかさが求められるだろう。一方の「あらし」は、なんだか悲痛ささえ漂う。エピローグは、あたかもシェイクスピアの辞世の言葉のように響く。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
☆イギリス文学
- 感想投稿日 : 2014年1月10日
- 読了日 : 2014年1月10日
- 本棚登録日 : 2014年1月10日
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