リチャード三世 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1974年1月30日発売)
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登場人物も多く、相互の関係も複雑であるために最初はやや分かりにくい。それもある意味では当然で、史劇『リチャード3世』には、それに先行する『ヘンリー6世』で描かれた史実が前提になっているからだ。シェイクスピアの作品群の中では比較的初期のもののようだが、その最大の魅力はリチャードの造型と、それを台詞で浮き彫りにしていく妙味だろう。この時代(史実は15世紀末、劇の初演は16世紀末)にあって、神を全く畏れることなく、悪の魅力を振りまくリチャード。史劇ゆえ、いたしかたないものの、最後が勧善懲悪で終わるのが残念だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆イギリス文学
感想投稿日 : 2014年5月3日
読了日 : 2014年4月29日
本棚登録日 : 2014年5月3日

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